スーパーマリオブラザーズの驚異
『スーパーマリオブラザーズ』。ゲームに少しでも興味がある人なら知らない人はいないであろう。ファミコンブーム、ひいてはテレビゲームの発展に大きく寄与したゲームである。ファミコン版の発売は1985年9月13日のことだった。
あれから20年、2005年のゲーム業界にはファミコンの市場はない(少なくとも新作の市場は)。しかし、2005年のテレビゲームソフト売上TOP100を見ると、20位にその名前を確認することができる。「ファミコンミニ」として登場した同タイトルだ。リメイク無しの当時と全く同じグラフィックスで、累計売上は100万本を突破。驚異というしかない。
主なマリオシリーズの世界累計出荷本数(2004年末まで、発売日は日本のもの、メーカー発表の数)
タイトル
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発売日
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累計売上
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FC『スーパーマリオブラザーズ』
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1985/09/13
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4024万本
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SFC『スーパーマリオワールド』
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1990/11/21
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2061万本
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GB『スーパーマリオランド』
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1989/04/21
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1814万本
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FC『スーパーマリオブラザーズ3』
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1988/10/23
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1728万本
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N64『スーパーマリオ64』
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1996/06/23
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1191万本
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SFC『スーパーマリオコレクション』
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1993/07/14
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1055万本
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ファミコン版の累計売上の約4000万本というのは、かの『ドラゴンクエスト』シリーズの全作品の世界累計出荷数が同じく約4000万本というのにほぼ等しい。2005年の日本の全テレビゲームソフトの売上合計は約5543万本。これにはさすがに及ばないものの、たった1本のソフトの売上としては異例であることに変わりはない。
しかし、注目すべきは過去の栄光ではなくて、「20年近くたって出したリメイクでもないソフトが100万本を突破したこと」である。なぜこのゲームが売れるのか。
その理由には「当時を知る人がもう一度手に取ったから」「20周年という節目で盛り上げたから」「今遊んでも面白いから」などが挙げられるが、それ以外にも大きな理由があるのではないか。それは「最近のゲームに、魅力を感じないから」。
2004年のテレビゲームソフト売上TOP100を見ると、ファミコンミニ版のスーパーマリオは発売元である任天堂のソフトの中で2位の売上(ポケモン除く)である。しかも1位の『星のカービィ』との差はわずか。2004年2月に発売されたファミコンミニ版は「記念商品であるため長くは店頭に置かない」という理由で出荷が打ち切られている(2005年9月13日に再出荷)ため、これがなければ確実に1位になっていたであろう。しかしその場合、「2004年の任天堂の売上トップは20年近く前の懐古商品」となってしまう。任天堂がそれを計算して出荷をストップしたかどうかは定かではないが、新しいゲームを売りたいメーカーとしては喜べる状況ではないだろう。もっとも、任天堂はその状況を早くから認識していたのか、すぐにニンテンドーDSで新たな層の開拓に成功しているのがなんとも見事だが。
現代のゲームメーカーのほとんどは、過去の作品のリメイクや廉価版などを大量に発売している。100万本とはいかないまでも、それなりに売れるのでどのメーカーもこぞってこのようなタイトルを発売している。しかし、そのことこそが現代のゲーム業界が抱える「新規タイトルが売れない」ことを引き起こしている要因になっているのではないか。廉価タイトルも売れてほしいであろうが、それよりも新規タイトルを売りたいというのがメーカーの本音であろう。そんな中で誕生した『スーパーマリオ』の100万本突破は、ゲーム業界にどのような影響を与えるのか。その動向は静かに見守っていくことにしよう。
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