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 テレビゲームの年齢別レーティング制度がもたらすもの


   テレビゲームの年齢別レーティング制度というものをご存知だろうか。これはCERO(コンピュータエンターテインメントレーティング機構)という組織が行なっている、簡単にいうならばゲームソフトの内容により対象年齢を定める制度のことである(詳しくはCEROのページを参照)。日本では2002年10月からこの制度が導入され、2006年を迎えた現在では、ほぼすべてのテレビゲームソフトのパッケージに対象年齢を示す表記がなされている。

 ゲームのパッケージを見てみると、日本の場合、2006年2月現在、「全年齢対象」「12歳以上対象」「15歳以上対象」「18歳以上対象」という風に区分けされている。どの対象区分となるかはゲームの内容にCEROが定める表現がどのように含まれるかなどを総合的に判断して決められるようだが、実際にはゲームを一つ一つじっくりプレイして決めているわけではなく、メーカー側から提出される内容についてまとめた資料などから主に判断しているようである。

 この制度を導入することによるユーザー側のメリットとしては、CEROのページによれば「購入以前に商品の情報を知ることが出来ること、選択する際、自己判断で購入出来ること、また規制ではないので、購入は自由である」ということを挙げている。ゲームをゲームショップに購入しにくるユーザーには、雑誌やネット等で情報を吟味して前もって購入するソフトを決めている人ばかりではなく、ゲームショップに来て自分の好みのソフトをその場で決めて購入する人も多い。そういう人にはパッケージにおおよその対象年齢が書いてあれば確かにそれだけで有益な情報となる。また例えば子供が「欲しい」と言ったゲームを買い与える親にしても、対象年齢の情報が書いてあればゲームの内容は分からなくても子供に買い与えるのにふさわしいゲームなのかを判断することができるのである。

 しかしこのメリットにはどうもひっかかる部分もある。それは「規制ではないので、購入は自由である」という部分である。つまり、こういう制度を設けて対象年齢を定めているものの、事実上どの年齢層の人がどのゲームを購入しようと自由、あくまでこの制度は目安であるということなのである。実際、この制度が必ず守られる必要があるとするならば、ゲームショップなどでは「12歳以上対象コーナー」「15歳以上対象コーナー」などと売り場を分けるべきだが、そのようなゲームショップは見たことがない。

 ただし、もっとも過激な表現等を含む18歳以上対象のゲームには規制の動きが広がっていて、2005年の5月に神奈川県が過激なゲームソフトの18歳未満への販売禁止の方針を示したことにより、ゲーム業界でもCEROの母体であるCESA(社団法人コンピュータエンターテインメント協会)が2005年7月に18歳以上対象のゲームに関してはゲーム販売店に自主的に販売を規制するという動きに広がった。そして2006年2月、CESAはCEROのレーティング制度を見直し、「全年齢対象」「12歳以上対象」「15歳以上対象」「17歳以上対象」「18歳以上のみ対象」に区分、「18歳以上のみ対象」はついに18歳未満への販売禁止という決まりを作ることになった。

 ここ1年で日本のゲームのレーティング制度はかなり変わることとなったがしかし、それでもユーザーへの浸透はまだまだ乏しいように思う。実際、自分が買った全てのゲームに対して対象年齢を答えられるユーザーは少数だろうし、ゲームを購入する際の動機に「CEROのレーティング対象が自分に合っているから」を挙げる人はほとんどいないだろう。18歳以上のみ対象のゲームを除けば、ユーザーにとってはこれからもしばらくはあくまで目安としてこの制度が活用されていくことになるだろう。

 ユーザーにはあくまで目安のレーティング制度だが、メーカーにはときにゲームの内容の再検討を迫ることもある。一つ例を挙げると、2004年6月24日にチュンソフトからPS2『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』が発売された。このゲームの年齢対象は「全年齢」である。しかしこのゲーム、最初にCEROが審査をした内容では対象年齢が「15歳以上」となってしまうため、その部分に当たるシナリオをカットしている。カットした理由は、作り手が対象としている中学生がこのゲームの対象年齢外であるのはおかしい(注:「3年B組金八先生」は中学校を舞台としたお話)、ということからである。このように、メーカー側にとってはこのレーティング制度はときに購入対象者を狭めてしまう危険性もはらんでいる。が、こうした例がたとえば作り手の表現の自由を奪ったりするのであれば問題だが、そのあたりはゲームを作るにあたってしっかり吟味していれば問題はないだろう。ちなみに、PS2『3年B組金八先生』は翌年にカットされた部分も収録した『完全版』が発売されており、このゲームの対象年齢は「15歳以上」となっている。

 まだまだユーザーへの浸透は薄いながらもとりあえずゲーム業界的には定着した感があるゲームのレーティング制度。今後もその制度についての議論は交わされていくものと思われるが、まずは18歳以上のみ対象のソフトに関して、18歳未満への販売が禁止されることで「犯罪を起こした少年は過激な表現を含むゲームが好きだった。よってゲームが悪い」みたいな風潮がなくなることを期待したい。テレビゲームに触れたことがないという子供を探すほうが難しいとされる現代において、いまだに「ゲーム=悪」のように言われるのは、過激なゲームに対する規制がこれまでほとんどなかったのもその一端であろう。これらの動きが進むことによって、ゲームというものが一般の認識において日本が世界に誇れるエンターテインメントの一つとして理解される日が来ることを切望している。

 
おまけ:このゲームの対象年齢、分かりますか?(対象年齢の欄をマウスでドラッグすると答えが現れます)
参考:ゲームの対象年齢検索(CERO)
機種
ソフト名
対象年齢
DS
脳を鍛える大人のDSトレーニング
全年齢対象
PS2
ワンダと巨像
12歳以上対象
PS2
ダージュオブケルベロス-ファイナルファンタジー7-
12歳以上対象
PS2
モンスターハンター2
15歳以上対象
PS2
魔法先生ネギま!1時間目 お子ちゃま先生は魔法使い!
18歳以上対象
GC
ピクミン2
全年齢対象
DS
逆転裁判 蘇る逆転
12歳以上対象
GC
バイオハザード0
15歳以上対象
PS2・GC
バイオハザード4
18歳以上対象
DS
赤ちゃんはどこから来るの?
全年齢対象
(注:対象年齢は2006年2月現在のもの。制度の変更により、対象年齢が変わる場合があります。)
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