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 電気用品安全法(PSEマーク)がゲーム業界に与える影響


   「PSEマーク」というものをご存知だろうか。それは「プレイステーション」の新たな仲間というわけではなく、ある一定基準を満たした安全な電気製品等に対して、その安全性を示すマークのことである。このマークは電気用品安全法という法律の改正によって2001年4月より導入され、2006年4月で5年を迎えようとしている。しかし今、このPSEマークについて、いろいろな業界に波紋が広がっている。

 その波紋の原因は実に単純で、「2006年4月からPSEマークのついてないものは売ってはダメ」ということになっているからである。その心は、2001年の導入から5年間は猶予期間としてPSEマークのない製品の販売も許可されてきたが、これからはPSEマークのある安全な製品のみを販売していきましょう、ということのようだ。もちろん全ての電気製品等が対象というわけではなく、例えばパソコンなどは規制の対象外になっている。しかしそれでも対象となる製品は世にあふれており、古い電気製品等を扱う中古ショップなどはすでにPSEマークのない製品の買取を不可とするなどの措置をとっているところもある。そしてすでにニュース等でも取り上げられているように、この法律そのものの見直しを求める声が非常に大きくなっている。

 ゲーム業界でもゲーム機の一部がこの法律の規制対象となる。基本的にはPSEマーク制定(2001年4月)以降に発売されたゲーム機はPSEマークをすでに取得しているので規制の対象外である。また、ACアダプタが本体の外についているゲーム機(ファミコンやスーパーファミコン等)は、この法律によれば本体は電気製品とみなされないために、ACアダプタのみが規制対象となるが、それが施行されるのは2008年4月である。実際に2006年4月から規制対象になる主なゲーム機は、「3DOリアル」「セガサターン」「プレイステーション」「PC-FX」「ドリームキャスト」「プレイステーション2(2001年4月以前製造のもの)」である。

 これらのゲーム機、プレイステーション2を除けば現在はほとんどユーザーはいないと思われるが、ファミコンが発売から20年経って再び注目されたように、これらのハードもいつかは再び注目されるかもしれない。もしそうなったとしても、中古品の販売が規制されてしまっては入手は困難となってしまう。そして、やがてACアダプタが本体の外についているゲーム機も規制されてしまったら、2001年以前発売のゲーム機の大半が規制の対象になってしまう。

 にもかからわず、ゲームメーカー的にはここまで、不思議とこの問題を重要視していない。それはなぜかといえば、どちらかといえばこの法律の影響は中古品に限られているからで、中古品が売れてもメーカーにとってほとんど利益はないためである。しかし、価格の安い中古品が新たなゲームユーザーを開拓するきっかけとなる場合もあり、決して影響はゼロとはいえないはずである。ゲーム業界が表立ってこの問題に関心を示さないのは、とても残念なことだと個人的には思う。

 そしてそんなゲーム業界の関心の低さとは裏腹に、音楽業界などでこの問題に関して反発を強め、ついに、事実上の規制対象製品の販売容認が決定された。といっても法律そのものがなくなるのではなく、4月からは中古品の販売を一定期間のレンタル(貸出)扱いとし、その後、無償で譲渡するという形となる。この無償で譲渡する際にPSEマークを取得できるかの検査を行なうことで安全性の確認を行なうようだが、とりあえず、思ったよりは影響は少なくなりそうである。しかし、以上の方針は2006年3月25日現在のものであり、これから再びこの方針が変更される可能性もあるので、しばらくはこの動向を見守ったほうがよさそうである。

 しかしそもそも、このPSEマークをめぐる問題は、法律制定からたった5年でそれ以前の電気製品等を販売禁止で取り締まるというところに大きな矛盾がある。日本の、総じて優秀な製品は5年以上経過しても何の問題もなく使えるものが多く、もしなんらかの理由で不要になったとしても、それを捨ててしまうのは「もったいない」以外の何者でもない。それはゲーム機ももちろん同様で、大事に扱えば今もなお、ファミコンですらきちんと使うことができる。電気製品の安全性ももちろん重要だが、そのために過去の製品を切り捨てるという方針ではなく、よりよい方法を、今からでも探っていくべきではないかと思う。

 一般にあるゲーム機が次の世代に移るまでの期間は5〜6年といわれている。つまり、その期間は1つのゲーム機で様々なゲームを楽しむことができる。しかし最近のゲーム機は、例えばPS2ならば本体の型番によって一部のゲームの動作に影響が出るなど仕様がさまざまであったり、GBAならばGBASPやGBミクロなどモデルチェンジを登場させるなど、1つの世代で複数のゲーム機を買わせようとするのが主流となってきている。その流れは確実に、「もったいない」につながっている気がしてならない。またそれは、ゲーム機だけではなく、リメイクや廉価版を乱発するソフトメーカーにも言えることなのではないだろうか。PSEマークに関する今回の問題そのものがゲーム業界に与える影響は思ったよりは大きくならなそうであるが、その根底にある問題に関してはもう少し議論の余地がありそうである。

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