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ゲームとエコについて考える
2009/06/22
昨今、とにかく「エコ」という言葉をよく耳にします。
一般的にエコとは「エコロジー」のことで、環境という意味を持つことから、たとえば環境にやさしい車を「エコカー」と言ったりします。
最近では政府主導でエコポイントが導入され、環境にやさしい商品を買うとポイントが貯まり、さまざまなサービスを受けられるといった身近なレベルでエコが浸透しつつあります。
今回のコラムでは、そんなエコとゲームについていろいろ書いてみようと思います。
考えるまでもなく、ゲームとエコは対極をなすものです。
なぜなら、ゲームは一般的には娯楽であり、生活必需品ではないため、その存在自体がエコではないからです。
そう言ってしまうと元も子もないですが、たとえば家電製品などでよく見られる「前モデルより消費電力を30%低減」などをゲーム機で謳ったところで、いちばん消費電力を低減する方法は「ゲームをプレイしない」ことですから、アピールポイントにならないのです。
現行機種で言えば、PS3やXbox360に比べてWiiはゲームプレイ時の消費電力が低いと言われていますが、そのことをもって「Wiiはエコなゲーム機である」という人はまずいません。
それどころか、Wiiの場合は、コントローラなどに乾電池を使用しているので、消費電力以上のロスがあるという見方ができてしまいます。
確かに、『Wiiスポーツ』をやるためにコントローラを2本用意し、『Wiiフィット』をやるためにバランスWiiボードを用意すると、それだけで単三乾電池が8本必要になります。
こうしてみると、ゲームはどうせエコに対するアピールはできないのだからと諦めているのか、必要以上にエコではないものである気もしてしまいます。
2009年のE3でSCEから「PSP go」が発表されました。
このゲーム機の特徴のひとつに、ゲームの入手方法がパッケージ販売ではなく、ダウンロードであるということが挙げられます。
これを肯定的に捉えると、パッケージ販売でなくなるということは、それだけ物として作るものは少なくなり、パッケージ品と比べてエコであると言えるでしょう。
ところが、やはりそれがエコであるという意見は聞こえてきません。
この理由を挙げるとするならば、SCE自体が、これを作った目的がエコを意識したものではないということです。
SCEの目的はいろいろあると思いますが、従来路線を捨て、軽量化や独特の形状をアピールすることで、あらたなハード需要を生み出すことが考えられます。
そのためか、ゲームを挿入するスロットが削除されたにもかかわらず、なぜか希望小売価格が現行機よりも7000円もアップするという挑戦的なものとなっています。
ゲーム業界には昔からいわゆる中古市場が存在しています。
これは言い換えればゲームのリサイクルで、どちらかというとエコであると言えると思います。
ところが、ゲームメーカー各社は「中古が売れても自社の利益につながらない」という理由で中古市場をあまり快く思っておらず、その対抗策として新品の廉価版を発売するなどして、少しでも利益を得ようと必死です。
こう考えてみると、結局行き着いてしまうところは「ゲームメーカーにはエコを考える余裕がない」というところになると思います。
つまり「環境に良いものづくりを考える前に、自社の利益を確保しなければならない」ということです。
では、メーカーの利益を確保できれば、エコを意識するのでしょうか?
残念ながらそれも違うようで、利益が確保できているメーカーの多くは「新しい遊びの提案」と称して、次々に新しいゲーム機や周辺機器を世の中に送り出していくのです。
テレビゲームは消費社会の中で生まれた産物であることは理解するにしても、エコに対するこの現状は、もう少し改善できないものかと考えてしまいますね。
ゲームソフトは、音楽CDのようにパッケージ販売よりもネット配信などがメインになれば少しは改善すると思いますが、まだ一般的なゲームユーザーの認識は「ゲームはお店または通販で物として買うもの」というのが現実です。
つまり、ゲームをエコなものにするためには、ある部分ではユーザーの認識の変化も必要になってくるわけです。
ゲーム機も、どこかのメーカーのものに統一されればかなりエコになるはずですが、それも今の現状では無理そうです。
ある程度の競争がないと市場は育っていきませんからそれを否定するつもりはありませんが、同じ規格のマイナーチェンジがたくさん発売されるのはエコの観点からするとマイナスですね。
新しいゲーム機が出たときに、メーカー主導で旧ゲーム機の引き取りサービスなどがあればいいですが、現状ではコスト面などの観点から絶対にやらないでしょう。
このあたり、政府から補助金などが出れば面白いんですがね。
「ゲームとエコ」について、何年か後には、こうした現状が少しでも変わっていることを願っています。
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