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ゲームの販売方法について考える
2009/03/19
みなさんは、普段プレイしているゲームを、「家電量販店やゲーム専門店などの小売店(それらのネットショップを含む)」から購入するでしょうか、それとも「ネットワーク経由でダウンロードする」手段で購入するでしょうか。
おそらく、一般的には前者で購入している人がほとんどだと思います。
今のゲーム機はネットワークに当たり前のように接続でき、技術的にはネットワーク経由の販売方法も不可能ではないのに、なぜそれが主流にはならないのでしょうか。
今回のコラムではその辺について考えてみたいと思います。
プレイステーション2(PS2)が発売された2000年当時、「これからゲームはネットワーク経由の購入がメインになり、小売店は無くなる」と言われたことがありました。
確かに当時はネットワークサービスが異常なまでに注目され、ネットワーク経由でさまざまなことが可能になり、ゲームの購入もネットワーク経由が当たり前になると考えられていたようです。
しかし、結果としてはそうはならずに現在に至っています。
また、無くなるとされていたゲームを扱う小売店はいまだにたくさん存在します。
やはりある程度、淘汰はされてきたものの、いわゆる大作ゲームの発売日には大型の家電量販店を中心に行列ができるほどで、小売店の存在意義は確かなものです。
こうなった理由を考えてみると、「小売店の努力」などももちろん考えられますが、大きな理由の一つとして「インフラの整備不足」が挙げられると思います。
2000年当時はインターネットの接続はまだダイヤルアップ接続がメインであり、DVDの4.7GBという容量のデータをネットワーク経由でダウンロードしようとすると、途方もない時間がかかってしまいます。
今でこそ、光ファイバー接続も増えてきましたが、ブルーレイの登場などでさらに容量は増える一方で、いつまでたっても、少なくとも誰もが気軽にダウンロードできるというレベルになるとは思えません。
ですから、現在の家庭用ゲーム機のネットワーク経由の供給コンテンツを見てみると、容量の小さい「過去の作品」または「ちょっとしたゲーム」がメインになっており、そういうゲームに興味がある人にしか利用されていないのが現状だといえます。
流れとしては自然だとは思いますが、個人的にはこの流れはちょっと危険だと思っています。
というのは、この流れのままだと一般的なユーザーに「ネットワーク経由で供給されるゲームはオマケレベルのもの」と認識されてしまう恐れがあるからです。
というか、実際そう思っているユーザーが多いのではないかと思います。
たとえネットワーク経由で新作が発表されたとしても、現状では大ヒットすることはありえないのではないでしょうか。
その新作を小売店で発売して初めて、ユーザーには「新作が発売された」と認識されるのではないでしょうか。
先日、インターネット上のあるニュースで「Wiiの発売ラインナップが寂しい。任天堂は手を抜いている」という旨の記事を見かけました。
確かに、任天堂はWiiでは昨年11月発売の『街へいこうよ どうぶつの森』以降、2月発売の『アナザーコード:R 記憶の扉』以外は「Wiiで遊ぶセレクション」という、過去の発売作品をWiiの操作方法にアレンジしただけのゲームしか出しておらず、これだけを見るとゲーム業界で圧倒的なシェアを誇る任天堂にしては手抜きのラインナップに見えます。
しかし、Wiiでは2007年末から2008年上期にかけて『Wii Fit』『スマブラX』『マリオカートWii』などを立て続けにヒットさせ、2008年末でも前述の『街へいこうよ どうぶつの森』もミリオンヒットしています。
加えて任天堂としては2008年末に「ニンテンドーDSi」を投入し、さらなるユーザーの拡大に努めています。
DSとWii、2つのハードに同時に力を入れていくことは難しく、これまでゲームボーイシリーズやニンテンドーDSが大ヒットしたのも、当時の据え置きゲームのニンテンドウ64やゲームキューブが振るわなかったため、より力を入れることができたと考えることもできます。
前述のニュースでは「小売店で発売されるWiiの新作」にしか目を向けられておらず、DSiのことはおろか、「Wiiのネットワーク供給コンテンツ」についても一切記述がありません。
Wiiでは「バーチャルコンソール」という過去のゲームの配信や、「Wiiウェア」という新作ゲームをダウンロードして楽しむこともできます。
ところがこれらには一切触れることなく「ラインナップが寂しい」としていることから、やはりこれらを新作として捉えている人は少ないと言えるでしょう。
実際のところ、「Wiiウェア」でも、任天堂からは昨年10月の『カタチのゲーム まるぼうしかく』以降は新作が発売されておらず(2009年3月現在)、ニュースになるのは仕方がないのかもしれませんが、少なくとも「手を抜いている」ということはないでしょう。
現時点で春発売予定となっている『Wii Sports Resort』には延期の噂も流れており、こうした流れはもう少し続きそうですが、いつしか払拭されるものと期待しています。
このような「ネットワーク経由のゲーム軽視」という問題点の解決方法として、最初に挙げた「インフラの整備」も重要ですが、インフラをいくら整備したところで、誰もが現在発売されているいわゆる大作ゲームを気軽にネットワーク経由で入手することはかなり困難だといえます。
それよりは、ゲームメーカーが「コンパクトな内容だけれども、非常に面白いゲーム」をネットワーク経由メインでどんどん供給するようになれば、ユーザーもやがてそれを完全な新作として受け入れ、急速に広まっていくのではないかと思います。
現時点では家庭用ゲーム機のネットワーク経由専用のコンテンツは総じて、「値段も安いが、内容も安っぽい」と多くのユーザーに認識されてしまっています。
最終的にその認識を変えることができれば、ゲームの販売方法として新しい動きが広がり、ゲーム業界全体にとっても良い影響になるはずです。
さらにはまた別の販売方法も出現すれば、さらなる盛り上がりも期待できることでしょう。
ユーザー視点からすれば、少なくとも面白いゲームに対して「食わず嫌い」にならないよう、できればゲームの販売方法にも目を配っていくことが理想的だといえるでしょう。
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