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ゲームの間口は本当に広がっているのか
2008/11/18
ここ数年、ゲーム業界において「ゲーム(またはユーザー)の間口が広がった」という言葉が頻繁に使われるようになりました。
これは、主にDSやWiiといったゲーム機が、新たなデバイス(タッチペンやリモコン型コントローラなど)を利用したゲームを提供することで、普段ゲームをしない人たちにもゲームが浸透したことを表して使われる場合が多いです。
確かに、新たなデバイスを利用した直感的な操作方法のゲームは、これまでのゲームユーザー以外の人たちにも新鮮な驚きを与え、これらのゲーム機で初めてゲームの魅力を知った人もいることでしょう。
しかしそれだけをもって「間口が広がった」としていいものなのか、個人的には疑問が残ります。
そもそも、テレビゲームがこれほど急速に一般家庭に普及したのは「値段の安さ」と「(ゲームを始めるまでの)準備の容易さ」があったからだと個人的に考えています。
もちろんそのほかにも「魅力的なゲームソフトの登場」なども影響しますが、ここではそれ以前の、主にハード的な面に話の的を絞りたいと思います。
家庭用ゲーム機で日本で最初に大ヒットした「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」は、上記の条件を両方兼ね備えていたと思います。
パソコンが何十万としていた時代に、発売当時で1万4800円という価格、本体をテレビに繋いでソフト(カセット)を挿し込めばすぐ遊べるという容易さも普及に拍車をかけました。
ファミコンが、ゲームの間口を一般家庭にまで広げたといっても過言ではないでしょう。
テレビゲームというものは、しばらくこのファミコンが完成させたスタイルで、ゲームファンを拡大していくことになります。
プレイステーションやセガサターンの時代になり、本体の値段はかなり上がるようになりました。
ちなみにプレイステーションの初期価格は3万9800円、セガサターンは4万4800円でした。
このころになると、ソフトのメディアにはCD-ROMが採用されるようになり、容量が増えた代わりに読み込み時間という概念が発生し、ハード的に見るとユーザーの間口を広げるのとは対称的な特徴が見られるようになります。
それでも、本体は徐々に値下げられ、またソフトの値段は比較的安く、まだ準備の容易さという点では大きな変化はなかったこともあり、多くのユーザーに受け入れられるようになります。
ところが、2000年のプレイステーション2の登場以降になると、ソフトの値段がじわじわ上がってきたことも去ることながら「ネットワーク」という概念から準備の容易さにも影響を及ぼし始めます。
結局プレイステーション2時代(2005年ごろまで)ではネットワークは一部のユーザーだけが使用するというイメージでしたが、現在のPS3、Wii、Xbox360時代(2006年以降)になると、どのハードもネットワークを前面に押し出してアピールするようになります。
ゲームのことを何も知らない人が、興味本位で現代のゲーム機をネットワークに繋げて遊ぶことは、ファミコンのゲームで遊ぶときと同様に容易でしょうか?
ゲームで遊ぶのに必要なものを手ごろな値段で全て揃えることはできるでしょうか?
間口の広さは、ファミコン時代と比べて拡大しているのでしょうか?
こう考えてしまうと、なんだか疑問に感じるのです。
もちろん、現代のゲーム機はネットワークに繋げなくても遊べるので、従来のゲーム機とほぼ同様の準備の容易さで楽しむことも可能です。
しかし、どのゲーム機にも「本体のシステムバージョンアップ」が存在し、アップデートを実施しないと遊べないという状況も起こりえます。
ファミコン時代の、電源を入れたら即座にタイトル画面が表示されていたころから比べると、ゲームを始めるだけでもかなり複雑な操作が必要になったと感じられます。
現代のゲームの「間口を広げた」代表格であるニンテンドーDSは、電源を入れてから比較的短時間でゲームを始められるというのも間口を広げたポイントだと思います。
本体設定でゲームの起動を「オートモード」にしておけば、最初の画面の次にはすぐにゲームが始められます。
時間にしておよそ5秒。
電源OFFの状態から5秒でゲームが始まる現代のゲーム機は他にはありません。
ところが2008年11月1日に発売された「ニンテンドーDSi」ではこのオートモードがなくなっており、さらに新機能が追加されたとはいえ本体価格はDS Liteに比べて2100円値上げされるなど、「間口を広げる」とは逆の方向に進んでいると感じられます。
これはこれで、今後どういった展開になるのか興味深いですが、間口を広げたゲーム機の新たな戦略としては寂しいような気もします。
それよりも間口を広げるであろう「DVD再生機能つきWii」がいまだに発売しないところを見ると、任天堂の戦略にも変化が見られるようになったと言えるでしょう。
というわけで、久しぶりに偏った持論を展開してしまいましたが、最後にもう一つ。
最近では携帯電話向けのゲームも、テレビゲームの市場を脅かす存在となりつつあります。
これも思うに携帯電話のゲームの「間口の広さ」が影響していると思われます。
携帯電話のゲームは、無料で遊べるものも多く、また起動にも時間はそれほどかかりません。
一方で、携帯ゲーム機を含むテレビゲームは、そういった意味で逆の方向に進んでしまっているのではないかと思うわけです。
もちろん、ただ間口を広げればいいってものでもないですが、少なくとも、間口を広げることでより多くの人たちにゲームに関心を持ってもらうことは、ゲーム業界にとってマイナスにはならないと思います。
これまで以上に多くの人々がゲームに関心を寄せるゲーム業界の未来を期待したいです。
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