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「ゲームらしいゲーム」について考える
2008/11/24
ゲーム雑誌などを見ているとたまに「ゲームらしいゲーム」という言葉を見かけることがあります。
この言葉が出てくる文章というのは最近ではたいてい「日本市場では現在、ゲームらしいゲームがあまり売れていない。こうしたゲームがもっと売れるようになれば日本市場がさらに伸長する」という風な使われ方をされていると思います。
ただ、気になるのは、そうした文章の中で明確に「ゲームらしいゲーム」の定義について書かれることが少なく、定義があいまいになっているという点です。
今回のコラムでは「ゲームらしいゲーム」についていろいろ考えてみようと思います。
そうした文章の展開から察するには「ゲームらしいゲーム」とは、いわゆるヘビーユーザーが好む、現在欧米でヒットしているゲームの事を指している場合が多いです。
その好例ともいえるPS3・XB360『グランド・セフト・オートIV』は欧米で発売されて初日だけで販売金額が3億1000万ドルに達し、「24時間で最も売れたエンタテインメントコンテンツ」としてギネス認定されたことはゲームファンならご存知かと思います。
ちなみにこのゲーム、初週だけで600万本以上を販売したそうです。
この数字は、現在日本で最も売れたゲーム、FC『スーパーマリオブラザーズ』の国内の総出荷本数681万本に初週だけで迫る勢いです(ちなみに海外を含めると4024万本の出荷)。
この『グランド・セフト・オートIV』は先日(2008年10月30日)、日本向けにもPS3とXbox360で発売されましたが、初週の売上げはPS3版が12万2058本、Xbox360版が3万8281本(いずれもファミ通調べ)という結果でした。
欧米での売上げと比較すると明らかに寂しい結果となってしまいました。
こうしたゲームが日本で売れれば確かに市場は伸長するかもしれませんが、このゲームに代表されるようないわゆる「洋ゲー」はいまだに日本市場では敬遠される傾向にあり、一部のファンには受け入れられているものの、大ヒットにはいたっていません。
では「ゲームらしいゲーム」が売れない日本市場は異常なのでしょうか?
ここで視点を変えて「ゲームらしくないゲーム」について考えてみようと思います。
「ゲームらしいゲーム」が売れない日本市場は、どうやら「ゲームらしくないゲーム」が売れているようです。
こちらももちろん明確な定義は見当たらないのですが、どうやらこれまでになかった傾向のゲーム、例を挙げるならDS『脳を鍛える大人のDSトレーニング』やWii『Wiiスポーツ』、Wii『Wii Fit』などを指しているように思われます。
これらのゲームはそれぞれのハードを牽引するほどの大ヒットとなっていますが、こういったゲームが牽引する市場は異常なのでしょうか?
これを否定する要素は主に二つあって、ひとつは「日本ではゲームらしいゲームが売れないからゲームらしくないゲームが登場した」ということ、もうひとつは「これらのゲームは海外でも売れている」ということです。
そもそもこうした「ゲームらしくないゲーム」が登場したのは、従来の市場規模が2001年〜2004年にかけて徐々に縮小していたため、このままではこれ以上のユーザーの拡大は見込めないと考えた一部のメーカーが動いて、新たな市場を作り上げたという背景があります。
この市場は急成長を遂げ、ユーザーの拡大、ゲーム市場の伸長に大いに貢献しました。
またこれらの「ゲームらしくないゲーム」は日本だけでなく海外でも大ヒットし、世界で軒並み1000万本、特に『Wiiスポーツ』や『nintendogs』といったゲームは2000万本を伺う気配で今もなお売れ続けています。
ただ、この市場は急成長を果たしたがゆえに、2008年になって、初めてその反動が現れたとされており、そろそろ次の展開が必要だともされています。
そこにおいて「ゲームらしいゲーム」が売れる市場を求める、というのは一見、理にかなった戦略のようにも思えますが、さきほど述べたように「洋ゲー」はイマイチ売れない、そういったゲームが集まるはずのPS3のようなゲーム機が思ったより普及しない、などを考慮すると、それは単なる理想論でしかないと思います。
日本では国民的RPGとされる『ドラゴンクエスト』の最新作『IX』はナンバリングタイトルとして初の携帯ゲーム機向けとして発売されます。
『IX』では携帯ゲーム機の特性をいかした、プレイヤー同士が協力して遊ぶ機能を盛り込み、以前のタイトルとは一線を画したものとなっています。
『ドラゴンクエスト』を、ここでいう「ゲームらしいゲーム」と呼んでいいのかは分かりませんが、少なくとも従来路線の延長ではなく、積極的に変化させ、「ゲームらしいゲーム」から脱却し、ユーザーの拡大を狙っているのが伺えます。
こうした方向性の変化が、いま多くのゲームに求められているのではないでしょうか。
結局このコラムでも「ゲームらしいゲーム」の定義はしませんでしたが、個人的には定義されること自体がおかしいと考えています。
それは「ゲームらしいゲーム」というものは人によってそれぞれ定義が異なるはずだし、もし定義したとしてもあくまでも「その人が定義するゲームらしいゲーム」にしかならないからです。
でもそれが便利な言葉であることは間違いなく、「なんとなくそれっぽい」言い方が出来るために使用されているのだと思われます。
ネットを見ると、さまざまな意見がありますが、「ゲーム雑誌の出版関係者がいうゲームらしいゲームとは「攻略本が売れる(=出版社にとっても利益の出る)ゲーム」のことだ」などというユニークな意見もあって面白いです。
あなたが考える「ゲームらしいゲーム」は、ゲーム業界の未来を明るくするものでしょうか?
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